9年目 2012年入職 H.I
インタビュー + スタッフ募集
どうして看護師を目指したの?
子どもの頃、両親が共働きだったこともあって近くに住んでいた祖父の家に普段からよく出入りしていたんです。親代わり、と云うよりも一緒に住んでいる「家族」という感じで。ところが私が小学6年の頃、祖父が入退院を繰り返すようになったので、いつものようにおじいちゃんのところに遊びに行けなくなってしまったんです。今でもハッキリ覚えているのですが、ある日私宛に手紙が届いたのです、差出人は祖父でした。そこには『人の役に立つ仕事に就きなさい』と書かれていました。その後、祖父は他界しました。お別れの時、看護師が静かに横たわっている祖父の身体を優しく拭きだしたのです。それを見た私は「看護師ってこんなことまでしてくれるんだ!」と、とても驚いたのと同時に私の記憶に強く残りました。やがて高校生となり、進路を決める時期に手に職をつけよう、資格のある仕事をしようと考え、看護師を目指すことにしました。あの時の私に贈ってくれた祖父が言葉が心の中にずっと残っていたからだ、と思います。ただ看護師になりたいというよりも『人の役に立ちたい』というのがあったので、保健師の資格も並行して取得できる大学に進学することにしました。ところが看護師と保健師の同時進行で勉強していくのは想像以上に大変でした。でも頑張って看護師と保健師の免許を同時に取得することができました。
看護師になってみてどう?
私が最初に看護師として勤務したのは、入院施設のある出身大学の付属病院だったので、常にそこに患者さん達がいるんです、当たり前ですが。患者さんが生活しているところが私の職場。だから、患者さんひとりひとりが毎日どう過ごしているのか、目の前に患者さんの生活があるので判りやすかったんです。たとえばお見舞いに来た人との関係性とか、患者さんを取り巻く生活環境がなんとなく伝わってくるんです。だから私は看護師として「患者さんの援助をするのが仕事」だと思ったのです。私が勤務していたのは混合病棟だったので、色々な怪我や病気を治療している患者さんに援助をすることができました。その中には糖尿病の教育入院の人もいて、インスリンの扱いや食事や運動などの話を看護師が主に担当していたのですが、患者さんに「教えていく」ということがとても「楽しかった」んです。大学生の頃にアルバイトで中高生に勉強を教えていたことがあって。本当に色々な生徒がいて、たとえば同じことを教えるにしても相手に合わせて教え方を工夫するとその結果が全然違うことに気づきました。とても難しいのですが「教えることの面白さ」をこの時知りました。だから糖尿病がある人にどう教えていけばいいのか、どう伝えたらいいのかを考え、結果、その患者さんの状態がよくなっていくのがとても楽しかったし、やりがいを感じていたんです。ある時、私は糖尿病の教育入院の80代の女性の担当になりました。その患者さんはとにかく「インスリンだけは嫌!」の一点張り、取り付く島など見当たりませんでした。そこで、どうしたら納得してインスリンを覚え打ってくれるようになるのか、先輩看護師と一緒になって考えました。一生懸命考えた結果その患者さんのためにインスリンについてのプリントを作りました。そのプリントを使いながら患者さんに丁寧に何度も話していくうちに、やがて理解し、自身でインスリンを打てるようにまでなったのです。その姿を見た時、とても嬉しかったんです!他の疾患の治療にはない、糖尿病は教えること、伝えることで、病気をよくすることができるんだ、と気づいたのです。教えること、伝えることで人の役に立てる、そう考え「糖尿病を専門的にやっていこう」と思ったのがきっかけです。
専門クリニックに移ってみてどうだった?
二田哲博クリニックは甲状腺と糖尿病の専門クリニック。慢性疾患の治療を専門とする医療機関なので、患者さんはみんなずっと長い期間治療を続けていきます。だから患者さんと定期的に関わることが増えていき、お互いが何となく顔見知りになっていきます。甲状腺の病気の患者さんの場合、処方された薬を飲み忘れる人が多いんです。だからひとりひとりの患者さんごとに『どうしたら忘れずに飲んで貰えるのか』を考えるんです。なぜ飲み忘れてしまうのか、患者さんに生活の様子を聞き取りながら忘れずに飲めそうなタイミングを見つけ、担当医に依頼します。些細なことですが、担当医から診察の時に一言添えてもらうだけで意外と飲み忘れることが減るんです。ちゃんと薬を飲むようになると嬉しくなります。
教えること、伝えることの難しさ。
同じことを伝えようとしても、患者さんによって捉え方が違うんです。ある時、長く通院している患者さんの様子がいつもと違った感じがしたので『どうかしましたか?』と声をかけたんです。するとその患者さんは何も答えず、でも見るからに不機嫌になってしまいました。私は何か力になれることはないかと尋ねたつもりでしたが、結果的にその患者さんに嫌な想いをさせてしまうことになってしまいました。普段はとても気さくな人柄なので、私の不用意な一言が原因なのは間違いありません。ひとりひとりの状況によって反応が違う。同じ人でも時と場合によって反応が違う。それを十分理解した上で患者さんに接する。相手の様子や空気感をしっかり捉えることの大切さを知りました。特に生活習慣病の治療は長い期間通院することになります。だからこそ、その患者さんがどんな風に生活しているのかを知りたいのです。知れば知るほど、その患者さんに向けてどう伝えればいいのかが分かってきます。二田哲博クリニックの場合、看護師が患者さんと接するのは定期検査の場合、採血や血圧、体重を測る処置室の5分程度の時間。だから私が担当する患者さんには時間を惜しんで声をかけています。「お変わりないですか?」「調子はどうですか?」「あ、体重、減りましたね」そんな他愛のない話だからこそ、構えず自然体で答える。自然体だからこそ普段の生活の様子を話してくれる。患者さんの言葉に耳を傾けるとヒントとなることがたくさん隠されているのです。生活習慣病だからこそ普段の様子が知りたい。患者さんのことが知りたいのです。
患者さんと会話をする上で必要なことは?
『常に最新の情報を持つこと』。糖尿病の新しい薬の情報はもちろんのこと、最近では特に新型コロナウイルス感染症に関する情報などは絶対に知っておく必要があります。患者さんは自分の病気、糖尿病があれば糖尿病のことだけを尋ねてくる訳ではありません。色々なことを訊いてきます、特に今は新型コロナウイルス感染症についての話題が多いです。患者さんから見てみれば私は看護衣を着ている医療者です、だから病気のこと、薬のこと、新型コロナウイルス感染症のことも詳しく知っているはずと思うのは当たり前だと思いますし、医療者から訊いたことで安心したい!という気持ちも分かります。だから医学的に明らかになっていることについてだけ伝えるようにしています。そのためにも日頃から新しい情報はチェックするように心がけています。
糖尿病専門クリニックの看護師ってどう?
「楽(らく)」ってことは何もありません。楽じゃないというのは二田哲博クリニックが楽ではないということではなくて、看護師という仕事自体が楽ではないと思うんです。慢性疾患はすぐに命に関わるようなことは少ないものの、医療である以上「楽」していい事は何もないという意味です。教える、伝えることが楽しいと感じたので糖尿病を選んだのですが、そういう意味で難しいことには変わりはありません。特に二田哲博クリニックには多くの患者さんが治療のために来院します。だから限られた時間の中で必要なことを終わらせないといけません。特に許された時間の中でその患者さんのために教えること・伝えることはとても大変です。しっかりと考えて挑まなければなりません。しかもひとりひとり習得の仕方が違うので、なおさらよく考えて動かなければなりません。大きな医療機関であれば教育入院などで何度も教えたり伝える機会はありますが、クリニックの場合患者さんと接触できる時間は限られているのでより大切にしないといけない。だから一生懸命話をして患者さんに伝わった時、患者さんの安心した顔を見ることができた時、心からよかった!嬉しい!という気持ちになります。難しいことだけにその分楽しいです。
患者さんに尋ねてみたいことがある?
仕事をしていていつも思うことがあるんです、患者さんに訊いてみたいことがあるんです、「私、役に立っていますか?」って訊いてみたいんです。とても訊いてみたいんですけど、絶対に訊けません。でも患者さんから「ありがとう!」と言われた時は「やったー!」って気持ちになります。「よかった、私、あの患者さんの役に立ったんだ」って密かに喜んでいます。そして「よし!次の患者さんも頑張るぞ!」って気合いが入ります。でも、患者さんひとりひとりとのこんなやりとりが私を成長させてくれているって実感があります。
どんな人が専門クリニックの看護師に向いている?
まずは「気がつく人」だと思います。わずかな違いとかをちゃんと拾うことができて正しくフォローできる人。そういう意味で「視野の広い人」が向いているのではないでしょうか。見てないようでしっかり見ている。そして必要とあればさりげなくフォローしてくれる。私に今足りないところだと感じている部分です。すうっと自然にフォローができるようになりたいです。
将来の夢は?
いつか結婚をして子どもを授かったとしても私は看護師は続けていると思います。私の母は保育士で私がいてもしっかり働き続けていたのを見て育ったというのもあると思います。逆に結婚して専業主婦になって家で夫の帰りを待っている自分の姿が全く想像できないので、この先もずっと看護師を続けていると思います。ふと云われて思ったのですが、私には看護師以外に何ができるのかと言うと思いつかないです。看護師じゃない自分がイメージできないというか想像できないです。だからこれからも私は看護師であり続けると思います。
学生の頃と比べてどう?
学生の時に自分の得意・不得意を知ることができました。それはとてもよかったと思っています。特に自分の限界がどの辺りなのかが分かりました。徹夜で遊んだ次の日は結構キツいので無理だから辞めよう、とか。そんな風にして仕事も生活もメリハリをつけられるようになったと思います。保健師の資格についても研修の時に保健師の仕事に触れられる機会があったのですが、保健師は健康上問題のない人を相手に仕事をするんだと分かった点、そして統計とか研究とかがあって私には向いていないと思ったんです。もちろん保健師は一次予防を行うとても重要な役割ですが、私には合ってないと思ったので看護師になりました。
学生のみなさんに一言。
たぶん学校を卒業してクリニックを第一の選択肢することは難しいとは思います。実際、私も大学病院に就職しました。であれば、まずは知識と経験を積むつもりで大きな病院へ勤めるのがいいと思います。大きな病院は様々な科があって、それぞれ求められるものも、得られる経験も違います。5年6年働いていると何か興味を引くものを見つられると思います。そしてそれがあなたにとって「もっと知りたい、もっと学びたい」と思えることであれば、その科を専門とするクリニックに移るのがいいと思います。専門クリニックは学びの場としては、とても素晴らしいところです。専門的なところでやってみたい!と思うのであれば挑戦してもいいと思います。私は「人の役に立ちたい」と思って看護師になりました。そして自分が得意で楽しいと感じる「教える、伝えること」で患者さんの病気をよくすることのできる糖尿病を専門とするクリニックに勤務するようになりました。看護師ができる仕事はたくさんあります。その中から興味があり、やってみたいと思える仕事を選ぶのがいいと思います。それが看護師をやっていく上で大切な「やりがい」に繋がっていくはずです。
インタビュー
当クリニックに勤務する看護師を紹介します。
募集要項
二田哲博クリニックの看護師は、採血、生理機能検査だけでなく糖尿病の患者教育(インスリン指導、自己血糖測定など)や禁煙外来指導、そして電子カルテコンピュータ入力などを行います。多くの患者にきちんと対応していくために「時短」が大きなテーマとなります。特に採血は患者にとって肉体的にも精神的にも大変負担の大きなイベントです。いかに患者の負担を取り除くことができるかは、看護師次第です。
職種 | 正看護師 准看護師 |
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仕事内容 | 専門クリニックである当院は院内に検査室がありその日の検査結果を元に診察を行うため、特に「採血」は欠かすことができません。採血が得意で多くの経験を活かしたい方、特に患者さんと直接接する機会が多いので、コミュニケーションを図ることや細かい気配りが上手な方を歓迎します。糖尿病療養指導士の資格を持っていたり生活習慣病に詳しい方ならスキルが輝くクリニックです。 ■採血・バイタル測定:採血・血圧・体重測定などを行います ■予診:診察に必要なことを聞き取り電子カルテに記録します ■生理検査:心電図、運動負荷心電図、血流量検査、神経伝達速度検査、骨塩などの各種検査とレントゲン補助を行います ■インスリン指導/自己血糖測定指導:正しい使い方をレクチャーします ■禁煙指導:禁煙が達成できるように患者にレクチャーします |
雇用形態 | 正社員 |
特記事項 | ■制服(クリーニング付)、靴、貸与。 ■産休育休取得実績:取得率100% (2015年2名、2016年1名、2017年1名) ■有給休暇:取得率100% ■年齢構成(看護師):平均38歳、女性6名 ■糖尿病療養指導士資格手当:あり ■固定残業代(月24時間分)超える場合は別途支給。 *月間24時間を超えることはありません。 ■予防接種など指定疾患については当院全額負担。 ■マスクなどの感染予防備品、当院支給。 ■昼休み(シフト制:2時間)しっかり自分の時間が取れます。 ■発熱外来、夜勤、当直はありません。 *パートとしての勤務も相談に応じます。 *9割以上が糖尿病か甲状腺の患者です。 |
勤務地 | 二田哲博クリニック姪浜 二田哲博クリニック天神 |
スタッフ募集
夜勤は
ありません
「外来のみ」でほぼ予約診察ですので、すべての職種に待機や夜勤はありません。
外来のみ
です
「外来のみ」なので入院患者さんへの対応などはありません。
駅のそば
です
姪浜本院も天神分院もどちらも駅の近くで通勤に便利なロケーションです。
専門性が
高まります
甲状腺の病気や糖尿病に関しての知識と経験を高めることができます。